

工事基本情報
浜松市天竜区 橋梁工事
使用材料 | 鉄部:Rc-1系 弱溶剤系フッ素樹脂塗料塗仕上げ |
構造、屋根や外壁のタイプ | アーチ鋼橋 |
施工期間 | 2023年9月~2024年6月(約10ヶ月間) |
築年数 | 1954年(築69年) |
施工のポイント
園田塗装店では、街中でよく見かける住宅やマンションの周りに仮設の足場を架けて工事する塗装工事と異なる、市町村や県、国が工事の発注者となる「公共工事」も請け負わせていただいております。
今回はそんな公共工事の中でも道路や橋などを建設する「土木工事」に該当する橋梁塗装工事のご紹介です。

普段何気なく通っている道路は、管理者によって機能が損なわれないよう維持保全が行われています。
川や谷を越えるためにかけられている橋も同じく、橋が倒壊して通れなくなったり、錆びて欠落しないよう管理者が維持保全を考えて行っています。
橋の種類によって点検や修繕の方法が変わりますが、今回工事させていただいた橋は「鋼道路橋」とよばれるもので、鉄鋼によって橋が形成されています。
こうした橋の劣化は主に錆・腐食による鉄材の欠損、強度の不足が考えられます。
錆や腐食による欠損が起こってからでは修繕が大変ですので、欠損する前に錆や腐食を防ぐための塗装を行って耐久性を上げて維持保全をしようという取組みが今回の工事となります。
また、工事の中で環境や健康に害の無いように作業をし、廃棄物を適正に管理することを求められています。
ニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんが、健康に害を及ぼすものとしてよく「アスベスト(石綿)」が取り上げられますが、自然界で容易に減少せず長い期間残り、人体に悪影響を及ぼすものを影響のないように取り除いて処分したり、封じ込める必要があります。
鋼道路橋にはアスベストは含まれていないことが多いですが、昔の塗料では耐久性を上げるため、鉛やPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれていることがあります。
※このPCBは日本では令和9年3月31日で処分の期限が来てしまうため、現在含有している廃棄物の処分を急いでいる状態にあります。
今回の修繕工事ではPCB含有の塗料の撤去と耐候性・耐久性の向上を目的として第一種ケレン(鉄鋼面を露出させる下地処理)と弱溶剤系フッ素樹脂塗料塗仕上げを行うこととなっています。
園田塗装店では循環式のブラスト(研削材とよばれる砂や金属の小さな粒を空気を圧縮した圧力で投射して表面を削る工法)を取り入れており、このブラストによって現在の塗膜を剝がしながら鉄鋼面に塗装が付着しやすいように表面に細かい凹凸をつける素地調整によって下地処理を行いました。

この際に塗膜は細かな小さい粉塵となるため、飛散防止のために作業場所を囲い、ブラストのバキューム(空気を吸う力)を利用して機械の中に集めて回収し、研削材と分離して剥がした塗膜のみを排出して分けて処分を行いました。

こうした特殊な技術やノウハウを持っていないとできない工事も存在するため、工事をする依頼する際には企業の技術力や実績、受け入れ能力をよく見る必要があります。
フッ素樹脂塗料による塗装は溶剤を使用する塗装方法の中でもウレタン樹脂、シリコン樹脂を超える寿命の長い塗装となります。鉄の劣化の原因となる錆を防ぐ塗装を施した上に、このフッ素樹脂による塗装を行い、完成となります。







塗替えやすい塗装物や、塗替えの際に仮設の足場・道路や敷地の規制などが不要であればもっと安価で簡単に塗装できる塗料を選ぶこともできますが、塗装工事の他に特殊な足場を必要としたり道路に該当するため簡単に塗替えができない物では長い期間耐えられるような改修・維持保全方法を考えて実施していかなければなりません。

園田塗装店は、橋梁などの重防食工事も携わっております。
建物や構造物の状況、環境などを鑑みて、適切な仕様を組んで工事を進めてまいります。
まずはお気軽に点検からご依頼ください!